上場審査と維持審査?



株式公開の際の基準として、取引所の審査基準があります。
この審査基準のなかでは、
株式事務代行機関の設置というものが要求されています。


今回、西武鉄道の問題で明らかになっているものとして、
どうもこれをおいていないがために、実質株主であるコクドへ一括配当できた、
というものがあるようです。


西武鉄道が上場審査基準を満たしていないのに上場しているのは、
上場審査をパスした当時は、これが求められていなかったからなんですね。
よくいわれるところですが、上場審査を一回パスすれば、
その後はある程度自由になってしまう部分があります。
公開準備企業がやったなら絶対問題になるような会計処理を、
上場会社がやっているケースは、よくみかけるところです。


こういう問題が発生してくると、
上場審査のみならず、上場維持審査も定期的に必要になるのかもしれません。
上場時の内部統制も、時間がたてば陳腐化してくるわけですから、
それをモニタリングすることは、やっぱり必要な感じはします。
ただ、実際的ではないですから、
内部統制の有効性を保証するという形で、
公認会計士の保証業務に加わるのかもしれませんが。
とりあえずは、古い会社で株式事務代行機関を利用していない会社については、
今後はちょっと割り引かれることになるかもしれません。


∮今日のヒトリゴト


西武鉄道に関してもう一つ言うのならば、個人の会計事務所がやっていたわけですので、
上場会社の監査については、監査法人のみにするという規制の方向が、
今後出てくるような気がします。