監査時間の増加のためには?



企業の国際化により、資金調達も国際規模で行われるようになりました。
これにより監査水準についても、各国バラバラではなく、
国際的に納得される水準が求められるようになりました。
ある意味で、監査のグローバルスタンダードともいえるものです。


その意味で、「国際比較に基づく監査時間数増加の提言」が出されたのは、
海外に取り残される危機感からといえるでしょう。
(国際比較に基づく)という文言がそれを如実に物語っています。


監査の品質を考えたときに、
監査時間とその品質は、ある程度相関関係があるといえます。
監査計画から統制評価手続、実証手続、監査報告書作成という一連の流れを考えると、
監査の品質確保のためには時間はいくらあっても足りないというのが本音でしょう。
新しい会計基準の発表や、開示内容の増加などもそれに追い討ちをかけています。


ところで監査時間を増やすためには、何が必要なのでしょうか?
監査する側の監査法人公認会計士の絶対数を増やすということも必要ですが、
人数が増えたからといって、投入時間を増加できるわけではありません。
クライアント毎の採算性の問題もありますから、
監査報酬が投入時間を決定するともいえるでしょう。


また、決算スケジュールの影響も無視することができません。
投入人員に限度があるのに、投入時期が集中する現在の決算状況では、
おのずから限界が生じてしまいます。
早期開示の流れも、投入時期の集中に拍車をかけています。


このようなことから、監査時間の増加にはクライアントの協力が不可欠ですが、
以前の監査報酬についての日経記事をみてもわかるように、
あまり監査自体が重要視されてないんですよね。。。
結局のところ監査は株主のために行っているわけですから、
株主の側への啓蒙により、監査の重要性を広めていくことのほうが、
長期的に必要な行為といえるでしょう。


∮今日のヒトリゴト


たまにはまじめに書いてみたり。