減損会計の適用状況 5



正味売却価額の事例の中で2点ほど気になったものがありました。
今回はそのうち1つについて見てみようと思います。


会社名
 santec
資産
 光部品製造設備
  (機械装置、工具器具備品、ソフトウェア)
算定基準
 自社購入資産のうち機械および装置、工具器具備品 : 取得価額の5%
 ソフトウェアおよびリース資産 : ゼロ評価
コメント
 取得価額の5%にしているのは、税法基準の残存価額のMiniでしょう。
 ソフトウェアとリース資産をゼロにしているのは、特にしばりがないからといえます。
 ということは、光部品製造設備については実質的にゼロ評価しているのと同じです。
 実質的にゼロであるにもかかわらず正味売却価額が用いられているということは、
使用価値はないに等しいと判断されたといえるでしょう。
 ある意味で本当に資産価値がないと判断されてしまったわけですから、
税金のことを考えれば速やかに除却して損金算入していくことになるのでしょう。


 もしも除却せず今後もこの資産を残すならば、いろいろと問題が発生します。
 使用することで収益が発生するならば、
収益だけ計上されて対応する費用である減価償却費がないことになります。
 また、どこかのタイミングで予想に反して売却できてしまうならば、
残存価額を残して売却益が計上されることになります。
 つまり、実質的な資産評価減により費用だけ先に計上できてしまうことになります。
 であるならば、ゼロ評価された減損対象資産について減損後早期に除却されているか、
監査法人公認会計士はチェックしていかないとならないのでしょうね。


∮今日のヒトリゴト


夏は過ぎたはずなのに、昼間はまだまだ暑いですね。
去年はもう半袖を片付けていた気がする。。。