読めない決算



貸借対照表が未来の予測情報を内包するようになったという続きです。


最近は「決算が読めなくなった」
という意見が増えてきました。
決算書が読めないという意味ではなく、決算予測が立てられないという意味です。


一連の会計ビックバンのうち、
金融商品会計
・退職給付会計
税効果会計
・減損会計
については、企業の業績予測にかなり影響を与えることで知られています。
このうち、市場の動きに左右されてしまうことから、
金融商品会計による株式時価評価に伴う強制評価減と、
退職給付会計による数理計算上の差異の二つについては、
期首時点では損益への影響が読みにくいとされています。


また、退職給付に関していうならば、
負債(退職給付債務)側で未来の予測情報である割引率を使用し、
資産(年金資産)側で市場情報を織り込むわけですから、
読みにくさは図抜けています。
というより、B/S評価額の意味自体がよくわからない気もします。


さてこの退職給付会計ですが、投資の観点から考えると面白いことが浮かびます。
退職給付会計に関しては、退職金制度の有無は当然として、
従業員数が重要なファクターになるわけですが、
従業員数の多寡によりこの部分に関する不確実性が増大します。
「市場が上昇傾向」「金利が上昇傾向」であるならば、
資産は大きくなる可能性が高く、負債は小さくなる可能性が高くなるわけで、
利益に対してプラスの影響を及ぼす可能性が高くなるわけです。(逆もまたしかり)
そこであらためて市場の動向と金利の動向を考えてみると。。。
中期保有で従業員数が多いところを狙ってみるのもいいかもしれません、
もちろん人件費負担で悲鳴を上げる可能性も高いのですけど。


最後に補足ですが、退職金制度と無関係の会社については、
上記のような面倒ごとが発生する可能性がなくなります。
なので、業績予測の精度が少しはよいともいえます。(他に何かあれば別)


∮今日のヒトリゴト


GMO寄り付きで買ったらしい。
さてさて。。。