変化する貸借対照表



会計ビックバン以前の貸借対照表は、
過去の事実情報を基にして作成されていたと考えることができます。
つまり、未来の予測情報を極力排除していたということです。
固定資産における取得原価主義などを考えればわかりますが、
過去のある事実を基にして、貸借対照表価額が算出されていました。


しかし、会計ビックバンを経てかなり意味合いは変わりました。
未来の予測情報を織り込むようになってきているのです。
その最たるものが、DCFにおける割引率の考え方が、
貸借対照表価額に用いられる可能性があることでしょう。
DCFの割引率の考え方をばくっととらえるなら、
将来と現在は等価ではないとして、
将来を一定の割引率で割引く考え方です。


具体的にDCFが関係しているところをみてみると、
・金銭債権債務における、キャッシュフロー見積法による評価額
・固定資産における、使用収益による評価額
・退職給付債務における、将来を割引いた債務額
といったところが挙がります。
これらについては、将来キャッシュ・フローを割引いて、
貸借対照表価額を算出しているところに共通点があります。
このため、現在の貸借対照表は未来の予測情報を加味するようになった、
そう考えることができるのです。


このように貸借対照表が変化したと考えることができるのですが、
実際にどのような影響がでてきているのかについては、次に回します。


∮今日のヒトリゴト


再度円高に振れてきている気が。。。