IPOの理由 2



昨日に引き続いてIPO関連のお話。
やる気のある企業とやる気のない企業の比較でしたが、
投資家としては同じIPO銘柄であったときに、
どちらを購入すればよいでしょうか?
愚問ですけど、当然やる気のある企業です。
東証2部や東証1部に上がっていくことを考えると、
ステップアップに伴い、当然株価も上昇していきます。
上がっていく銘柄を探していくという投資スタンスもあるぐらいですから。


では、新興市場に上場する企業は全て上を目指しているのでしょうか?
答えは否でしょう。
昨日のブログにも書きましたが、上場それ自体が目的になっている場合は、
新興市場に上場することで目的は果たせています。
さらに上を目指す必要はなく、上場が維持できていればいいわけです。


では投資する側として考えたときに、どのような点に気をつければいいのでしょうか。
言い換えると、やる気のない企業の上場であると、どの辺りで判断できるのでしょうか。
ヒントになりそうなのが、株主にとっての上場メリットです。


まず、創業者利潤の実現という点があります。
これについては、上場時の株主構成などが一つの判断材料になるといわれています。
いわゆる上場屋のような存在で、非公開時に株式を引受け、
公開によって大きな利益を狙うグループがいるとかいないとか。
いい意味でも、悪い意味でも株式公開についての知識は豊富なわけですから、
彼ら自身が株式公開コンサルティングもできてしまいます。
ですから、公開申請に向けて上辺だけ取り繕い、
上場後は株式を売って利益を実現するわけです。
これについては、創業者といわれる人間が、
あっさりと退任しているケースも注意が必要です。
まさに創業者利潤の実現だけを狙って、身を引いているわけですから。


続いて、相続税対策になるという点です。
これは、非公開の状態ですと相続税を支払うときに換金が難しいといった問題があったため、
公開することにより株式の流動性・換金性を高め、相続税支払いに対処しようとするものです。
つまり、事業を子孫に承継させたいが、
相続税などを考えると非公開の状態ではデメリットがある場合です。
ですから、創業者の年齢などに注意すれば、ひっかかる可能性は少ないといえるでしょう。
また、このようなケースでは縁故入社などが少なくないともいわれています。


以上をまとめると、
・創業者の年齢は?
・創業者が継続して経営責任をとっているか?
・特定の株主グループがはいっているか?
あたりに注意を払っておくことが、IPO銘柄選定のポイントになるでしょう。
これはそのまま新興市場の銘柄一般に言えることでもありますが。


∮今日のヒトリゴト


病院にいったけど請求されないのって、
医療ミスでもあったからなんでしょうか。