年金保有国債


厚生労働省は厚生年金と国民年金の積立金で市場運用している国債のうち、
満期償還まで持つ国債時価評価の対象からはずして取得原価(簿価)で計上する方針を決めた。
長期金利が上昇(債券価格は下落)しても会計上、評価損が発生しないようにして、
公的年金が安定して資産運用できるようにする。
大量発行している国債の安定消化につなげる狙いもある。(日経)



金利が上昇してくると債券価格は下がります。
日本が低金利であることを考えると、金利上昇リスクは決して無視できないことから、
国債などを持っている企業などは、国債評価減の可能性について注意が必要でしょう。
もっとも、満期保有目的の債券に分類しているようであれば、
日本のデフォルトが現実のものとならない限りは、償却原価で評価できそうです。
その他有価証券などに分類している場合は、時価評価をしていく必要がありますので、
分類替えによる対処なども考えるのかもしれません。


ところで、年金の運用先としての国債を考えた場合は、
時価評価で評価減が発生する可能性が高いような運用先であることを暗に示しているわけで、
まじめに運用を考えているのかどうかやっぱりあやしい。。。
数十年後に、今度は低金利時代の国債のせいで、
年金支給原資が目減りしてしまいました、ということもなきにしもあらず。
物価スライド制を維持していることを考えると、怖い部分でもあります。