かつての裁判がもう一度?



フセイン元大統領をはじめとする、イラク旧政権幹部に対する訴追手続が始まりました。
フセイン元大統領は、「裁判は茶番」「犯罪者はブッシュ」と発言したとのことです。
とりあえずの感想ですが、犯罪者が犯罪者を指弾している形で、なんともいえない感じがします。


そもそもフセイン元大統領は、イランイラク戦争において、
イペリットサリンなどのカクテル・ガスを使用しクルド人を虐殺しています。
クルド人居住地ハラブジャで起こった1988年3月16日のこの虐殺は、
ヒロシマに重ねて「ハラブジマ」の虐殺と呼ばれています。
死者5千人、負傷者1万人といわれるこの事件ですが、
欧米メディアによりフセイン元大統領を糾弾するようなことは当時ありませんでした。
これは、当時のイラクイスラム革命のイランに対抗する関係上、
欧米にとっての同志であったためといわれています。
ただ、当時は取り上げられなかったにせよ、
フセイン元大統領が虐殺者であることは事実なのです。


一方の、アメリカについて考えてみると、
ハラブジマについての不作為の罪はあるでしょう。
今回の裁判でクルド民族への虐殺をフセイン大統領の罪として挙げていますが、
そのことを当時知っていながらあえて追求してない国なのです。
また、今回のイラク戦争においても、相当数の無辜の人間を殺したのみならず、
捕虜虐待なども起こす始末です。
戦争の大義があるならばまだしも、その根拠自体が崩れていますから、
戦争の犠牲になった人々は浮かばれません。
アメリカの最高責任者としてのブッシュ大統領もまた、
今回の戦争において虐殺者の側に立つことになりました。


こうしてみると、今回行われようとしている裁判は、
犯罪者により犯罪者が裁かれるという、強者の論理の裁判になります。
WWⅡの頃から変わらず、強いものが弱いものを裁くという、
東京裁判のようなことになってしまうのでしょうか。


∮今日のヒトリゴト


6月末分割銘柄のその後をどっかのタイミングでおいかけてみたいですね。