変わり行く計算書類



決算書という言葉はF/Sを指していると考えられますが、
商法では計算書類、証取法では有価証券報告書によりそれが開示されます。
この二法、会社の財政状態及び経営成績を開示するという目的は同じですが、
根拠法の違いにより表現方法が異なっているため、
同じ内容のものを異なる形式で開示することになっています。


会計学では単一性の原則<実質一元、形式多元>があり、
表示方法は異なっていても、同じ内容の決算に基づくことを要請しています。
早い話が二重帳簿により二種類の決算内容を作ってはいけないということです。


ところでこの計算書類と有価証券報告書、最近は商法が証取法に歩み寄ってきたため、
従来不整合であった箇所が整合してくるようになってきました。
同じ内容について異なった表現をされると、利用者の立場からは混乱を生じかねないことから、
歓迎すべき傾向であるといえます。
また、作成者側にとっても事務作業が軽減されますから歓迎されています。


今回に関しては、
 ・B/Sから当期利益(損失)という括弧付き箇所が消えた
 ・投資等であったものが投資その他の資産になった
 ・当期利益(損失)が当期純利益(純損失)になった
などなど、様々な箇所に変更が入ってます。
お目にかかることは少ないですが、附属明細書も大幅に変更されています。


株主総会シーズンまで約1ヶ月ですが、
見慣れない計算書類が届いても驚かないでくださいね。


∮今日のヒトリゴト


営業報告書をWebで開示しているところでは、
綺麗なグラフィックにアニメーションするものもあるらしい。。。