提供物の素材



商売をするにあたっては、何らかの財かサービスを提供することになります(以下提供物)。
この提供物ですが、必ず何かを素材としています。
エネルギー産業であれば、石炭などの原始資源です。
小売業であれば、各種仕入商品です。
コンサルであれば、サービスのノウハウです。


この提供物の素材ですが、基本は有限なものです。
化石燃料にせよ、商品にせよ、生産量には限度というものがあり、
需要と供給の市場メカニズムが作用することになります。


ところが、一部には提供物の素材が実質無限にあるものがあります。
常に更新されていく情報(ニュース・株価などなど)や、ノウハウなどはそれにあたるでしょう。
これらを主たる素材として用いる事業では、競争者が多ければ多いほど、
価格競争が激しくなることから、利益を上げるのがむずかしくなります。
刻一刻と変わる株価情報が無料で提供されている様をみると、それが実感できるのではないでしょうか。


しかし裏を返すならば、競争者が少ないならば、価格競争は激しくなく、
提供者側がプライスメイカーになりうるということができます。
ということは、提供物の素材が無限にあるような事業においては、
いかに参入障壁をうまく作るかが、その後の命運をわけることになるといえます。