民事再生していくゴルフ場



数年前からゴルフ場がいくつも倒産や民事再生法申立するようになっています。
直接的な原因は、資金不足で預託金の返還請求に対応できないためです。
ではなぜ従来はなんとかなっていたかというと、
預託金の返還請求がほとんどなかったからです。


ゴルフ会員権については相場があり、
会員が会員権を処分しようとした場合には、
市場で売却するか預託金の返還請求をするかの選択肢がありました。
実質的には売却価格と預託金額のいずれか高いほうを選択するわけで、
従来は売却価格のほうが上回っていたわけです。
しかし売却価格が下落し値つかずの状態などもでてくるようになると、
預託金の返還請求をしたほうが有利な状況になってきました。
となれば、当然のように返還請求が増加してくるわけで、
ゴルフ場側としてはこれに応じて返還する義務が発生してくるわけです。


ところがゴルフ場側ではそのための資金が無いことが多いのです。
1 預託金を基にしたゴルフ場設備の投資回収が終わってない
2 別のゴルフ場の造成に投資した
などいろいろな原因がありますが、
基本的には預託金が負債であるという認識が無かったことが主要因だと思います。
B/S上では預託金は固定負債計上されているわけですが、
売却価格が高いうちは返還請求が起こりえないわけで、
返済義務の無い固定負債、つまり自己資本と同様に認識されていたといわれます。
このため、環境変化により返還請求が起こる事態になったときに、
いままでどおりの考え方でいたゴルフ場は立ち行かなくなったといえます。


これに対処するためには、おとなしく倒産するか、
もしくは固定負債を切り下げるために民事再生法の適用を受けるかということになります。
純粋にゴルフをするために会員になっている人にはどうでもいいのかもしれませんが、
資産運用目的でゴルフ会員権を持っていた人には打撃です。
今後も資産運用になるのかといえば・・・
ちょっと難しいところといえそうです。


∮今日のヒトリゴト


身の振り方は常に考えておかないといけませんよねぇ。。。